スポーツと健康

2018年8月17日 (金)

狂気の甲子園球場

 平和&スポーツあれこれ

  おはようございます!

お元気ですか!?     

ぼくは、

スポーツの平和創造機能を語り続ける

スポーツ弁護士のぶさん です。

NO.146

では、

平和学としてのスポーツ法入門民事法研究会

と関連して

平和&スポーツあれこれ

「甲子園でのスポーツと健康」の問題について考えます。

 8月5日から開催されている夏の高校野球、選手権大会、連日球児による熱戦で、胸を熱くし、感動を得ている人も多いと思います。

 かくいうぼく自身も、大の甲子園ファンであり、春の選抜もそうですが、特に夏、関西の風物詩として、大学で関西に来た50年前以上から、毎年かならず1回は、球場に足を運び、その都度感動をもらい、スポーツっていいなと感謝しているのです。

ただ、

おまえも、楽しんで観に行っているのに何だ!

と非難されるのを覚悟で、大会運営に、敢えてこのままではダメだと異議を述べたいと思います。

夏の甲子園と健康

健康の専門家、医師の見解です。

臨床ニュース その1

1.医師への意見照会

 調査の母体について、ぼくははっきり分からないのですが、臨床医のグループによる調査結果を入手しました。

<調査の概要>

◆調査期間:2018年7月25~29日

◆対象:m3.com医師会員

◆回答者総数:勤務医1137人 

          開業医 375人

◆回答結果画面:

m3.com 意識調査「夏の甲子園、医師として健康影響をどう考える?」

2.健康影響、7割が気温を懸念

 上記調査で一番問題だと指摘されたのは、

「異常高温」下での運営、これです。

 上記1.で述べた調査で、医師の7割が、気温による健康への影響を指摘しています。

 具体的に、

夏の甲子園で、「球児や生徒らの環境で、医師として最も懸念する点」を

複数の選択肢を示して尋ねたところ、

「高い気温・湿度」との答えが、

72.4%と圧倒的に多数だったのです。

他は、「強い日差し」 8.7% 

「短い試合間隔」 7.2%

「試合時間の長さ」 4.5%

もっとも、

「特に懸念点はない」も

5.2%あったことも記載しておきます。

2.環境改善のため医師として検討すべきこと

複数回答可能ですが、医師としては

① 開催時期を秋など涼しい季節にずらす(46.1%)。

② 試合時間を早朝、又は、夕方や涼しい時間帯にずらす(32.6%)

③ 開催施設を室温の調節可能なドーム球場に変更する(30.2%)

④ 選手の暑さ対策器具などの使用を許可する(22.4%)

⑤ 甲子園球場を全天候型に改善する(21.2%)

⑥ 開催期間を延ばし、試合間隔を長くする(14.2)

⑦ 開催地を北海道など比較的涼しい場所に変更する

⑧ 選手のサングラスの使用を許可する(12.9)

などです。

もっとも、特に検討すべき点はないも5.5%ありました。

4.個別の医師の意見

 個別の医師の意見としては、

① 大会で救護班を担当していた立場から、「大会維持は危険」。

② 熱中症の発症が当然な環境で、半ば強制的に行わせるのは、ガイドラインに反する犯罪行為だ。

③ 命の危険を避ける行動を取るようにキャンペーンをしながら、連投など肉体的にも負担をかけて、自分たちが主催の野球大会は別ものとは、頭がおかしいのでは。

④ いくら体力のある高校生でも、熱中症は避けられない、意識消失なども起きかねない。

⑤ 親友を夏亡くしたこともあり、時間帯の変更など仕組みを検討するべき。

⑥ 運動中止レベルでの競技が正当化されるのは良くない。

⑦ 球場はすり鉢状になっているので、グラウンドの表面温度は異常に暑い。

⑧ 熱中症が発生する環境での試合出場や応援が、半ば義務化されているのを、なぜ問題にしないのか不思議。

⑨ 熱中症で死者が出ている現状では、夏のスポーツ大会は禁止すべし。

⑩ (生徒たちが)自身の異常に気付かない可能性も大。

⑪ 今の天気は昔と違う。試合開始時期の考慮や、35度を超えたら一時中止にする。

⑫ この酷暑の中で、真っ昼間に野球をさせるのは、明らかに犯罪。

⑬ 深夜バスで車内泊して試合応援、その後深夜バスで帰ってくるのは、さすがに無理。

⑭ この炎天下、真夏に屋外でやるのは、選手や観客が脱水になるだけでなく、根性論を振りまく精神論者がはびこる。

⑮ 短時間での、強い身体的・精神的ストレスを繰り返すことが、成長に与える影響が心配。

⑯ 長時間40度近い中で、プレーや応援することで、多くの生徒たちが熱中症で具合が悪くなることが必定。

⑰ 屋根がないので、紫外線の影響が心配される。

⑱ 急性の熱中症と、長期的な皮膚癌発生のリスク。

⑲ 特にピッチャー。連戦で200球投げさせるなんて、虐待と同じ。

⑳ over use syndrome の懸念がある。以前関わった甲子園出場選手の肘は、20代でガタガタになり、大成しなかった。伝統の大会として盛り上げ、利益を得ようとするマスコミと、宣伝に利用しようとする学校の意図が問題。

 等々となっています。

5.「特に懸念点はない」とする医師の意見

① 彼らは筋肉量があるので、水分や電解質補給をしていてば熱中症の心配は低い。

② 水分補給など、精神面だけでないことが、浸透してきた。

③ 常識の範囲で個人が気を付ければいいこと。

④ 朝日も高校も好きでやっているんだし、おせっかい焼かなくてもいいと思います。

 この④などは、かなり投げやりの回答ですが・・・(辻口)。

以上の通りです。

やはり、早急に改革が必要だと思います。

悲惨な事故が起こってからでは遅い!!

みなさん、積極的な改善案を!!

 

それでは、

今日の一曲  

立秋も過ぎましたが、まだまだ酷暑!

風立ちぬ

だいぶん古い歌ですが

松田聖子

平和学としてのスポーツ法入門

(民事法研究会 入門●p)より

今日は、引用はありません。

 今日も

最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました 

また、覗(のぞ)いてください。

詳しくは、

 2020年までに、

平和を愛する人必読の

平和学としてのスポーツ法入門

2017年 民事法研究会  2800円+税

を読んでください。

筆者としては、

まずコラムを読んでいただきたいです。

また、

スポーツ基本法のコンメンタール部分は飛ばしていただき、

最後に読んでいただくと良いと思います。

2018(平成30)年8月17日  

        (NO.146)

スポーツ弁護士のぶさん こと

弁護士辻口信良

太陽法律事務所

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