スポーツと指導者

2018年8月 9日 (木)

日本ボクシング連盟

 平和&スポーツあれこれ

   こんばんわ!

関東以北のみなさん、

台風13号の被害は大丈夫でしたか?

そして、お元気ですか!?

今日は、

73回目の長崎原爆忌です。

核の傘に頼らぬ世界を!     

ぼくは、

スポーツの平和創造機能を語り続ける

スポーツ弁護士のぶさん です。

NO.144

時間の管理がなかなか出来ず、

2018年8月初めての更新です。

エッセンスは、Facebookで書いています。

では、

平和学としてのスポーツ法入門民事法研究会 以下入門●p

と関連して

平和&スポーツあれこれ

最近連日話題になっている、

ボクシング問題です。

1.ボクシング連盟の会長辞任

 8月8日、

アマチュアの一般社団法人日本ボクシンク連盟の山根明会長が辞任を表明しました。

 ただ、会長だけ辞めるのか、理事も辞めるのか、質問受付なしの5分位の記者会見だったので、今後の展開は、不透明です。

 山根会長は、この間、いくつもの不正疑惑を言われながら、一貫して辞任しない、と強気の発言を主張していました。

 ただ、7日には、「明日、男としてのけじめを話す。自分の人生を懸けて言うから。」と言い、

8日に大阪で、

「現在、再婚している嫁に相談し『私はどうあっても、死ぬまで会長の面倒を見ていくから、今、楽になって下さい』と言われた」として、

「本日を以て辞任を致します」とだけ話をして会見が終了したようです。

2.再興する会の告発

 日本ボクシング連盟は、90年以上の歴史のあるスポーツ団体です。

2011年から山根会長になりましたが、

 山根会長を内部から批判する333人の有志でつくる

日本ボクシングを再興する会のグループは、

以下の内容で告発しています。

(1) 助成金の不正利用

 

 

 

(2) 審判への不正介入

 

 

 

(3) 大会開催地の過剰接待

 

 

 

(4) 不透明な財務運営 

 

 

 

(5) 反社会性力との交友

 

です。

ここで詳細は説明しませんが、

「告発状の内容」と「山根会長の反論」を比べると、

証拠を精査するまでもなく、

明らかに再興する会の「KO勝ち」です。

 一つだけ、公表された「審判」の問題の山根発言を記載しておきます。

「接戦した場合、やっぱり奈良やな。それに反対つけた場合は『お前、なめてるんか』てなってくるわけ」との録音が残っています。

いわゆる「奈良判定」と言われるものです。

 結論として、団体・組織が、暴力的、恫喝的、不公正な状態で牛耳られてきたことは間違いありません。

 ただ、それでも今後更に、山根氏による「院政」の可能性を指摘する向きもあります。

<今、9日の夕刊を確認したところ、山根氏は連盟から退会するようです>

 

3.新体制への期待 

 山根会長の辞任は、スポーツ庁をはじめ、正直みんなもろ手を挙げて賛成なのですが、ぼくは、新体制に、組織の再建だけでなく

「アマチュアとプロ」の正常な関係についても、是非、新執行部は取り組んで欲しいと思っています。

 具体的に言うと、現在、大阪の若手弁護士が中心になり、

元プロの世界チャンピオン高山勝成選手の

アマ復帰を目指しての「スポーツ仲裁」が始まっているのです。

 高山選手は、プロを引退し、改めてアマの立場から2020東京オリンピックを目指そうと、山根会長に書面を渡そうとしたのですが、受け取っても貰えないといった状態が続いていたのです。

 「スポーツ仲裁」の判断がどうなるかは分かりませんが、

せめて「仲裁合意」をして貰って、仲裁のリングに上がって貰い、

仮にプロ→アマ復帰が認められられないとしたら、その理由は何故なのかを、みんなに分かる形で教えて欲しいのです。

 ぼくは、このプロ・アマ問題が、きちんと解決されることで、

IOCによる2020東京オリンピックでの競技実施も確実になると確信しています。

4.ボクシングと暴力

 元々、ボクシンクは、ご存じのとおり、スポーツの中で最も闘争本能をむき出しにする、極めて激しいスポーツです。

赤裸々な「暴力行為をスポーツとしてルール化」することによって成り立っている点に特徴があります。

グローブをつけたり、打撃できない部位を定めたり、1ラウンド3分、ダウンした場合のテンカウント制などなどです。

いずれにしても、

極めて暴力に親和性があるスポーツです。

この点で、ボクシンクで次の2点を意識して下さい。

(1) スポーツの平和創造機能

 闘争本能、権力欲との絡みで、

ボクシングは、最も戦争の代替・補償機能をもつスポーツの一つだと考えられます。

 ぼくは、スポーツ

楽しみをもって、他人と競り合う刺激をもつ、一定のルールによる、心身の運動

と定義しています。

 この関係で、競り合う→闘争本能、権力欲の最も赤裸々な形が現れるのが、

格闘技としてのボクシング競技です

 従って、もしルールを介在させなければ、

単なる殴り合い、そして最終的には殺害、致命的後遺症が残る傷害罪という結果になります。

どこまでをスポーツとして認めるのか、これは、実は大変難しい問題です。

実際、ノルウェーでは、

30年以上、ボクシングは「暴力」であり、相手を殴るボクサーは「犯罪者」であるとして、禁止されてきました(2014年にスポーツとして復活したとされます)。

ぼくは、

ボクシングをスポーツとして認めます。

そしてそれは、「ルールでは、殺すことは認めていない」という点で、文化であり、戦争行為と峻別されると考えています。

ぼくが、「平和学としてのスポーツ法入門」で強調している、

スポーツと戦争の峻別であり、

スポーツの平和創造機能の問題です同書40p・268p)。

(2) 組織的暴力団が介入する余地

 もう一つ、重要なことを指摘しておきます。

上で書いたように、ボクシングは、暴力行為そのものだとも言えます。

 そこで、ボクシング界に、

「暴力による支配」を本業(?!)とする、「組織的暴力団」が、巧妙に入り込み絡んでくるのです。

国内では、

1991年に「暴力団対策法」が出来て以降、最近はかなりおとなしいですが、

それでも、団体や組織内に、また興行などを通じて暴力団が介入するケースが見られます。

現に、山根会長は暴力団員との過去の親密な交際を、自分ではっきり認めています。

更に、今回言われているのは、

山根会長は、帰化していますが、元々外国籍だったこともあり、韓国やその他海外の非合法組織の構成員との接触や関係があったと言われています。

そして、それを利用して連盟内での地歩を築き、

ボクシングの国際組織の中でも、

いわゆる「顔が利き」、ボクシング界がそれを利用していたこともあった点です。

(3) 重要なポイント

 ぼくの理解では、上記に説明した2つの問題は、スポーツと平和に関する、極めて重要なポイントです。

 そして、スポーツの平和創造機能と、

ボクシングはスポーツなのか、

スポーツとして認めるべきなのかなど、今後、これらを巡り更に論争されると思います。

それでは、

今日の一曲  

8月の鎮魂歌

原爆を許すまじ!!

広島8月6日、長崎8月9日を決して繰り返させてはいけません。

平和学としてのスポーツ法入門

(民事法研究会 入門●p)より

今日は既に記載したとおり、40p・268pを読んで下さい。

 今日も

最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました 

また、覗(のぞ)いてください。

詳しくは、

 2020年までに、

平和を愛する人必読の

平和学としてのスポーツ法入門

2017年 民事法研究会  2800円+税

を読んでください。

筆者としては、

まずコラムを読んでいただきたいです。

また、

スポーツ基本法のコンメンタール部分は飛ばしていただき、

最後に読んでいただくと良いと思います。

2018(平成30)年8月9日 長崎原爆忌  

        (NO.144)

スポーツ弁護士のぶさん こと

弁護士辻口信良

太陽法律事務所

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