政治と平和

2017年10月18日 (水)

日本国憲法を普通(ただ)の憲法にするな!!   その3

    おはようございます!

衆議院選挙特集です。

相変わらず自民・公明、

大優勢の世論調査です。

お元気ですか!?

スポーツの平和創造機能を語り続ける

スポーツ弁護士のぶさん です。

3.憲法9条の改正

 前回書いたとおり、

憲法9条の改正について、大いに議論はしてもらいたいのですが、ぼくの思いを、もう少し紹介しておきます。

そうです、

自衛隊員についてです。

(4)国際公務員としての自衛隊員
 実際に国防や災害救助を担当しているのは、自衛隊員です。

では、私たちは、どのような立場での自衛隊・自衛隊員を考えれば良いのでしょうか。

結論から言います。

ぼくは、自衛隊員を、政治の力で、日本の公務員から

国際公務員に格上げすべきだと考えます。

つまり、

自衛隊を、日本を守るというより、

国連事務総長の指揮の下、もっと志高く

「世界の平和」を守るため、

「本当の意味の国連軍」になってもらうのです。
自衛隊員は国連軍だけど、

駐屯する場所が日本であるということです。
 自分は日本・日本人のためにだけ働きたいから、国連軍には参加したくないとの自衛隊員もいるかもしれません。

ただ、

ぼくの知人には

「いいですね、国際公務員の方が、やりがいがあります。」

という自衛隊員もいます。
 その意味では、

現在自衛隊員に払っている給与は、

本来国連が負担すべきものですが、

法体系や処理の各国の法意識が遅れているため、

今は日本政府が国連に替わって立て替えていると考えましょう。

民法での債権発生原因の、

事務管理の規定を援用すれば良いでしょう(民法697条・702条など)。
 この辺りの難しい理屈は、

平和な国際社会創造のため、

世界から国連に集まる頭脳明晰な若者に任せ、

とりあえず

自衛隊員を国際公務員として位置づける方向が、世界史のあるべき流れだとだけ指摘しておきます。

そして、

どの国も、自分の国としては軍隊を持たない方向を目指すべきで、

日本はその先頭を走るのです。

それが、永久平和主義、恒久平和主義を掲げる日本国憲法の精神です。

 したがって、

普通(ただ)の国、

普通(ただ)の憲法

にするための憲法改正など、全く必要ないだけでなく、

むしろ有害であることを強調しておきたいと思います。

(5)事務管理という考え方

今述べた事務管理について、具体的に少し説明しておきます。

◆民法697条 

 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(事務管理者)は、その事務の性質に従い、

最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない。

◆民法702条

 事務管理者は、有益な費用を返してもらうことができる。

 とそれぞれ規定しています。

具体例でいうと、

通りすがりに、ケンカをしていた子どもたちを見つけたAが、ケンカを止めさせました。

そして、ケガをした子の治療をするとともに、電車で家に送りとどけました。

Aも、中に入った際まきこまれ、少しケガをしました。

この場合、

通りすがりのAには義務がないのすが、いわば自主的ににケンカを止める行為(事務管理)を行ったのです。

Aは、ケンカを止め、子どもの治療をし、家に電車で送りとどけましたが、自分も少しケガをしました。

という例です。

この場合、Aの行った行為が事務管理で、子やその親は、Aが支払った子どもやAの治療費や電車代を支払う必要があります(償還義務)。

これを、国際関係の例にして説明します。

 国同士のいざこざがやケンカがあったり、ある国がよこしまな考えを持って、他国に侵入を図ったとします。

本来なら国連軍が乗り出して、それを制止するのですが、まだ本当の意味の国連軍はいません。

そこで、日本として義務ではないのですが、事務管理として、過渡期的に自衛隊が国連軍として活動するのです。

その場合、大切なのは、内閣総理大臣の指揮の下で働くのではなく、

国連事務総長の指揮の下で、働き対応する点です。

そのかかった費用は、

それぞれの国や、国連が、日本に返還する必要があります。

繰り返しますが、それらは、元々日本の予算で行う行為ではないのです。

実際には、

国連での安全保障理事会の問題などがあり、そう簡単に国連事務総長の指揮の下で自衛隊が動けることはないと思います。

ただ、その辺りの論理や実際は、国際平和を求めて世界中から国連に集まっている、若いエリート達に智恵を出して考えてもらうしかありません。

国際政治の現実がむずかしいのは承知の上です。

いずれにしても、

自衛隊員を現在のような日本の公務員ではなく、国際公務員(国連軍=国連警察軍)として位置づけていくのです。

そして、この考えが、

永久平和主義・恒久平和主義の思想である、憲法9条、憲法前文の精神であると確信します。

(6)永久平和主義と国連中心主義
 本音を言えば、

歴代の日本政府は、国際政治の中で、

日本国憲法の永久平和主義の精神、

国連中心主義の観点から、

今述べた思考や行動のための努力を、もっともっと積極的に行うべきだったのです。
確かに、冷戦構造という難しい問題はありましたが、

残念なことに、政府があまりにアメリカに媚び、自虐的に安保体制に寄りかかり、高い志、理想、人類の夢を蔑ろにして今日まできたのです。

特に国連に加盟した1956年以降、

国連中心外交を進め、国連をもっと良い組織にするための努力が必要だったのです。

スローガンとして国連中心外交が唱えられた時期もありますが、実が伴っていません。

だから、日本は国際的に極めて良い地位にいながら、

そして個人としては優秀な職員などを派遣しながら、韓国の潘基文氏が、先に国連事務総長に就任したのです。

それでも、

憲法施行後70年間、わが国は海外での戦争をせずにいることができました。

これは特筆して誇るべき歴史で、

憲法9条のおかげです。

なお、念のために言えば、

ぼくはアメリカは嫌いではなく、むしろ好きです。

スポーツでのエンターテインメントなど、大好きと行っても良いくらいです。

それでは

今日の一曲  

1970年代の歌ですが、

ふれあい

中村雅俊

<おまけのひとことふたこと>

プロ野球、セ・リーグのクライマックスシリーズ、

阪神タイガースがDeNAに負けてしまいました(1勝2敗)。

タイガース1勝のあと、雨で流れていれば、3試合しないまま終わっていても、ルール上はタイガース阪神の勝ち上がりだったのですが、堂々と試合をやっての負けですから仕方ないですね。

おめでとう、DeNA!

広島と良い試合を。

 

 今日も

最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました 

また、覗いてください。

詳しくは、

 2020年までに、

平和を愛する人必読の

平和学としてのスポーツ法入門

(民事法研究会 2800円+税)

を読んでください。

2017(平成29)年10月18日  

        (NO,78)

スポーツ弁護士のぶさん こと

太陽法律事務所 弁護士辻口信良

 

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おもろいもんみっつけた

→友人の辻井一基君のブログで、「おもろいもん」を見つけて下さい。

 

2017年5月11日 (木)

仏、韓大統領選挙

  こんにちは!

スポーツ弁護士のぶさん です。

元気ですか?

フランス(7日)と韓国(9日)の大統領選挙の結果が出ました。

私たちの将来にもかなり影響すると思いますので記載します。

 選挙は、

どこかスポーツに似ていて、勝者・敗者がくっきりと分かれますが、それでも終わった後は、ノーサイドの精神で、勝者は自身の政策実現に向け理想を追い、敗者は捲土重来、勝者の政策をチェック・批判しつつ、改めてチャレンジすることになります。

 民主主義の精神は寛容の精神。

 あなたの主張には反対だが、あなたが主張することは命をかけて守ってあげるとの「表現の自由」も極めて大切です。

以下

それぞれ、毎日新聞・朝日新聞の記事からの引用・要約です。

1.フランス マクロン

 <勝利演説 要旨>

 極めて名誉なことで、大きな責任を負った。皆さんの支持を決して忘れない。皆さんの信頼に値するようすべての力を注ぐ。

 国家の分断が、過激な主張への投票につながった。多くの人々が示した怒りや不満は理解している。彼らの声に耳を傾けるのは私の責任だ。市民の安全を確保し、国家の団結をはかり、あらゆる形の不平等、差別と戦う。

 フランス国家を守る。これこそが、最も重要な国益だ。皆さんの前で誓う。欧州を守る。欧州と人々の関係を再構築するために、努力する。

 我々の壮大な物語の新しいページが今夜、開かれた。希望と自信が取り戻されるようにしたい。我々の生活を刷新することが課せられた。どんな障害も私を止めることはできないだろう。

 すべての人に敬意を示し、より良い未来をつくる。

 我々を傷つけた、分断と全力で戦う。

<経歴・エピソードなど>

 医師の家庭に育ち、パリ政治学院などエリート街道をばく進し、史上最も若いフランス大統領の座を射止めた。40歳で就任したナポレオン3世を抜いた。

 25歳年上の妻ブリジットさん(64歳)は、マクロンが15歳高校時代に演劇の指導を受けた教師だ。当時40歳の彼女は、夫と3人の子どもがいたが、マクロンが17歳のとき求婚。

 家族の大反対を乗り越え、29歳で結婚した。マクロン氏の政治的野心の源には、成功し続け「結婚に反対した両親を見返したい」との想いがあると、マクロンの別の恩師が語っている。「禁断の恋」の成就は、強い信念の表れと好意的に捉えられている。

 敗北した国民戦線(FN)のルペンは、第1回投票から300万票増えたことを踏まえ、「歴史的、圧倒的な成果だ」と話をした。

 マクロンとしては、投票率が75%と記録的に低く、消極的支持であること、テロ・失業対策など、急務で多難な船出といえる。

2.韓国 文在寅(ムンジェイン)

<勝利宣言 全文>

 愛する国民の皆さん、こんばんは。文在寅です。

 ありがとう。本当にありがとう。正義にのっとった国、統合の国、原則と常識が通じる国らしい国を造るため、共に歩んでくれた偉大な国民の偉大な勝利だ。選挙戦で共に競争した候補にも感謝と慰労の意を伝える。新しい韓国のために、彼らとも手を取り合い、未来のために共に前進する。

 明日から私は、国民全ての大統領になる。私を支持しなかった方々にも仕え、統合する大統領になる。

 尊敬する国民の皆さん、国民の切実な望みと念願を決して忘れない。正義が立て直される国、原則を守り、国民が勝つ国を必ず造る。常識が常識として通じる、国らしい国を必ず造る。こん身の力を尽くし、新しい国を必ず造る。国民だけを見て、正しい道へ進む。

 偉大な韓国、正義にのっとった韓国、誇らしい韓国、堂々たる韓国、その韓国の誇らしい大統領になる。

ありがとう。

 

<経歴・エピソードなど>

 64歳。高校まで釜山で生活。慶煕(キョンヒ)大学時代に、今回弾劾で失脚した朴槿恵(パククネ)大統領の父、朴正煕(パクチョンヒ)独裁政権に反対してデモを主導し、逮捕されたこともある。

 後で大統領になる盧武鉉(ノムヒョン)と共同で弁護士事務所を開設、「人権派弁護士」として活動した。

 昨年12月のインタビューで、当選したら「私は北韓(北朝鮮)に、まず行く」と言ったことがある。そのことを含め、保守系候補から「文氏が当選すれば親北政権になる」と批判されていた。

座右の銘は、「厳しいときほど原則に戻れ」

<日本国憲法からの応援>

 いずれにしても、フランス、韓国それぞれのトップに、ぼくは、日本国憲法前文の言葉を贈ります。

「われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。」

 

今日の一曲  

八十八夜は、立春から数えて八十八日目。大体5月1~2日ですが、この頃が茶摘みの最盛期といわれています。俳句の季語は春ですが、ぼくのイメージは初夏です。

文部省(今は文科省)唱歌 茶摘み

<おまけのひとこと>

  ナショナリズム

 大統領は、当該国、選んだ国民のために尽くすのは当然ですが、先に書いた日本国憲法前文のように、偏狭なナショナリスト、特に排外的ナショナリストはダメで、世界平和の視点を堅持する、歴史に対し先見性を持つ人物でなければなりません。

 2人の大統領(それぞれ任期は5年)の今後に期待しましょう。

ところで、ぼくは、

ナショナリズムを3つに分けて考えています。

① 本来的ナショナリズム

② 競争的ナショナリズム

③ 戦争的ナショナリズム

①は、誰もが有する自然なナショナリズム。③に行ってはダメで最悪。②がスポーツと関連し、人間の叡智としてのナショナリズムだと考えています。

平和学としてのスポーツ法入門(41p)。

 今日も

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました 

また、覗いてください。

2017(平成29)年5月11日  (NO,15)

スポーツ弁護士のぶさん こと

太陽法律事務所 弁護士辻口信良