経済・政治・国際

2017年4月27日 (木)

フランスの大統領選挙

こんにちは 

スポーツ弁護士のぶさんです。

今回は、

少し違った角度で書きますね。

1.フランスの大統領選挙

これからの世界平和にも大きく関係する、

フランス大統領選挙のことです。

そしてそれは、

平和な社会でこそスポーツが楽しめる

という意味で、

スポーツ好きも無関心ではいられないのです。

4月23日

フランスで大統領選挙の

第1回投票が行われました。

その結果は、

1位が、中道・独立系で前経済相エマニュエル・マクロン(39歳)

 

2位が、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(48歳)

この2人で、

5月7日、決選投票が行われます。

EUの関係でいうと

マクロンが親EU

ルペンが反EU

の構図です。

2.二つの選挙

 この選挙が関心を持たれているのは、

昨年の

イギリスが、賛成多数でEU離脱を決めたこと、

 

アメリカで、事前の予想を覆して、トランプが大統領に成ったこと

が関係しています。

上記2つの選挙については

政治学での

ポピュリズム(大衆迎合主義)

との関連が盛んに言われました。

そして、

結果的に、

「排外主義」が勝利したことを意味し、

イギリスもアメリカも、内向きの政治

になりつつあります。

ぼくらの学生時代の理想主義的な

インターナショナル

とか、最近の

グローバリズム

といった発想に、

ブレーキがかかっている気がします。

今回、

フランスの決選投票で、

仮にルペンが当選すれば

EUが瓦解してしまう可能性が高まります。

ぼくは、

「平和学としてのスポーツ法入門」のなかで、

上記2つの選挙結果を批判しました(65p 334p)。

それらは、

いずれも悪しき排外主義と結びつくからです。

排外主義は、

ぼくが主張するナショナリズムの三態

① 本来的ナショナリズム

② 競争的ナショナリズム

③ 戦争的ナショナリズム

の内の、③ 戦争的ナショナリズムと通底しているからです。

平和学としてのスポーツ法入門 41p>

3.大統領決選投票の予測

 マスコミは、

決選投票では、

マクロンが勝利すると予測し、

世論調査の結果も、そうなっているようです。

ぼくも、

そうあって欲しいという希望も含め、ルペンが負けると思います。

 ただ、

支持者の熱さからいうと、

ルペン支持者の方が熱烈のようで、

1票の質は、

ルペンの方が濃いようですね。

その意味では、

決選投票日までの両候補や支援者の運動、

その間に起こる事件や報道、

当日の投票率など

により、

結論が異なる可能性もあります。

トランプ大統領誕生の経緯から考えても、

軽々な予断は禁物です。

4.フランスへの信頼

 ぼくは、

政治は詳しくありませんが、

次のように考えています。

フランスは、

イギリスと並んで

近代民主主義のふるさと

ともいえる国です。

中学、高校で、

「マグナ・カルタ」 「名誉革命」 「フランス革命」

などを学びましたよね。

ただ、

イギリス、フランス、アメリカも含め、

現代の先進国といわれる国において、

現在、

格差社会が進行する中で、

経済的に底辺部の層の人たちが

特に

開発途上国からの移民の増加により、

更に経済的に困窮する

という、いらだちや現象

があると思われます。

移民の人たちは、

安い賃金でも積極的に働き、

結果的に、

先進国の底辺部の人たちの生活が

圧迫されるからです。

 ですから、

この問題の根底には、

「平等」

もっと言えば 

「個人の尊重」 「個人の尊厳」

に関する難しい問題があります。

豊かな先進諸国の人たちの「財」を、

貧しい開発途上国の人たちにも配分すると、

当然、

先進諸国の人たちの生活レベルが下がります。

 日本では、

移民問題は深刻な問題になっておらず、

分かりにくいと思いますが、

そんな日本でも、

ヘイトスピーチが問題になっています。

 これらの根底には、

繰り返しますが、

自分の生活レベルを引き下げてまで

国際協力できますか?

という、

生き方に関する、

大変困難な問題があります。

 そのことも含め、

決選投票で

民主主義のふるさとフランスの人民が、

どのような判定をするか、

関心が持たれます。

5.トランプ発言

 どこでのニュースだったか忘れたのですが

アメリカのトランプ大統領が、

ルペンを支持する

趣旨の発言をしたとの記事がありました。

 彼が、

どのような思惑で、また、脈絡の中で、

 

その発言をしたのか分かりませんが、

仮に、

ホントにルペンを応援するつもりで、

その発言をしたとすれば、

それは、はっきり言って逆効果で、

ルペンの不利益になると思います。

 誇り高きフランス人は、

アメリカ大統領トランプの言葉に、

プライドを傷つけられたと考える

とぼくは思うのです。

6.EUの未来・世界の未来

 世界史の中で、

EUをどう位置づけるかが、

本質的な問題です。

というのは、

EUは、

先に書いたこととも重複・関連しますが、

現代の地球上では、恵まれたグループです。

その意味でぼくは、

人類の中でのエリート集団であり、

恵まれた層であるEUが、

今後、世界史での

有意義な組織として生き残れるかは、

先にも書いた

自分の生活レベルを、

引き下げる覚悟まであるのか、

先進国のごく一部の上層部の

富の偏在を是正できるか

との視点が必要になると思います。

そしてそれは、

21世紀における、各自の生き方

世界史の未来

とも関連しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました 

また、覗いてください。

2017(平成29)年4月27日

スポーツ弁護士のぶさん こと

太陽法律事務所 弁護士辻口信良

今日の一曲は

ラ・マルセイエーズ 

フランスの国歌です。

日本語訳の歌詞つきですので、

歌の意味も、考えてください。