狂気の甲子園球場
平和&スポーツあれこれ
おはようございます!
お元気ですか!?
ぼくは、
スポーツの平和創造機能を語り続ける
スポーツ弁護士のぶさん です。
NO.146
では、
平和学としてのスポーツ法入門(民事法研究会)
と関連して
平和&スポーツあれこれ
「甲子園でのスポーツと健康」の問題について考えます。
8月5日から開催されている夏の高校野球、選手権大会、連日球児による熱戦で、胸を熱くし、感動を得ている人も多いと思います。
かくいうぼく自身も、大の甲子園ファンであり、春の選抜もそうですが、特に夏、関西の風物詩として、大学で関西に来た50年前以上から、毎年かならず1回は、球場に足を運び、その都度感動をもらい、スポーツっていいなと感謝しているのです。
ただ、
おまえも、楽しんで観に行っているのに何だ!
と非難されるのを覚悟で、大会運営に、敢えてこのままではダメだと異議を述べたいと思います。
夏の甲子園と健康
健康の専門家、医師の見解です。
臨床ニュース その1
1.医師への意見照会
調査の母体について、ぼくははっきり分からないのですが、臨床医のグループによる調査結果を入手しました。
<調査の概要>
◆調査期間:2018年7月25~29日
◆対象:m3.com医師会員
◆回答者総数:勤務医1137人
開業医 375人
◆回答結果画面:
m3.com 意識調査「夏の甲子園、医師として健康影響をどう考える?」
2.健康影響、7割が気温を懸念
上記調査で一番問題だと指摘されたのは、
「異常高温」下での運営、これです。
上記1.で述べた調査で、医師の7割が、気温による健康への影響を指摘しています。
具体的に、
夏の甲子園で、「球児や生徒らの環境で、医師として最も懸念する点」を
複数の選択肢を示して尋ねたところ、
「高い気温・湿度」との答えが、
72.4%と圧倒的に多数だったのです。
他は、「強い日差し」 8.7%
「短い試合間隔」 7.2%
「試合時間の長さ」 4.5%
もっとも、
「特に懸念点はない」も
5.2%あったことも記載しておきます。
2.環境改善のため医師として検討すべきこと
複数回答可能ですが、医師としては
① 開催時期を秋など涼しい季節にずらす(46.1%)。
② 試合時間を早朝、又は、夕方や涼しい時間帯にずらす(32.6%)
③ 開催施設を室温の調節可能なドーム球場に変更する(30.2%)
④ 選手の暑さ対策器具などの使用を許可する(22.4%)
⑤ 甲子園球場を全天候型に改善する(21.2%)
⑥ 開催期間を延ばし、試合間隔を長くする(14.2)
⑦ 開催地を北海道など比較的涼しい場所に変更する
⑧ 選手のサングラスの使用を許可する(12.9)
などです。
もっとも、特に検討すべき点はないも5.5%ありました。
4.個別の医師の意見
個別の医師の意見としては、
① 大会で救護班を担当していた立場から、「大会維持は危険」。
② 熱中症の発症が当然な環境で、半ば強制的に行わせるのは、ガイドラインに反する犯罪行為だ。
③ 命の危険を避ける行動を取るようにキャンペーンをしながら、連投など肉体的にも負担をかけて、自分たちが主催の野球大会は別ものとは、頭がおかしいのでは。
④ いくら体力のある高校生でも、熱中症は避けられない、意識消失なども起きかねない。
⑤ 親友を夏亡くしたこともあり、時間帯の変更など仕組みを検討するべき。
⑥ 運動中止レベルでの競技が正当化されるのは良くない。
⑦ 球場はすり鉢状になっているので、グラウンドの表面温度は異常に暑い。
⑧ 熱中症が発生する環境での試合出場や応援が、半ば義務化されているのを、なぜ問題にしないのか不思議。
⑨ 熱中症で死者が出ている現状では、夏のスポーツ大会は禁止すべし。
⑩ (生徒たちが)自身の異常に気付かない可能性も大。
⑪ 今の天気は昔と違う。試合開始時期の考慮や、35度を超えたら一時中止にする。
⑫ この酷暑の中で、真っ昼間に野球をさせるのは、明らかに犯罪。
⑬ 深夜バスで車内泊して試合応援、その後深夜バスで帰ってくるのは、さすがに無理。
⑭ この炎天下、真夏に屋外でやるのは、選手や観客が脱水になるだけでなく、根性論を振りまく精神論者がはびこる。
⑮ 短時間での、強い身体的・精神的ストレスを繰り返すことが、成長に与える影響が心配。
⑯ 長時間40度近い中で、プレーや応援することで、多くの生徒たちが熱中症で具合が悪くなることが必定。
⑰ 屋根がないので、紫外線の影響が心配される。
⑱ 急性の熱中症と、長期的な皮膚癌発生のリスク。
⑲ 特にピッチャー。連戦で200球投げさせるなんて、虐待と同じ。
⑳ over use syndrome の懸念がある。以前関わった甲子園出場選手の肘は、20代でガタガタになり、大成しなかった。伝統の大会として盛り上げ、利益を得ようとするマスコミと、宣伝に利用しようとする学校の意図が問題。
等々となっています。
5.「特に懸念点はない」とする医師の意見
① 彼らは筋肉量があるので、水分や電解質補給をしていてば熱中症の心配は低い。
② 水分補給など、精神面だけでないことが、浸透してきた。
③ 常識の範囲で個人が気を付ければいいこと。
④ 朝日も高校も好きでやっているんだし、おせっかい焼かなくてもいいと思います。
この④などは、かなり投げやりの回答ですが・・・(辻口)。
以上の通りです。
やはり、早急に改革が必要だと思います。
悲惨な事故が起こってからでは遅い!!
みなさん、積極的な改善案を!!
それでは、
今日の一曲
立秋も過ぎましたが、まだまだ酷暑!
風立ちぬ
だいぶん古い歌ですが
松田聖子
平和学としてのスポーツ法入門
(民事法研究会 入門●p)より
今日は、引用はありません。
今日も
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました
また、覗(のぞ)いてください。
詳しくは、
2020年までに、
平和を愛する人必読の
平和学としてのスポーツ法入門
2017年 民事法研究会 2800円+税
を読んでください。
筆者としては、
まずコラムを読んでいただきたいです。
また、
スポーツ基本法のコンメンタール部分は飛ばしていただき、
最後に読んでいただくと良いと思います。
2018(平成30)年8月17日
(NO.146)
スポーツ弁護士のぶさん こと
弁護士辻口信良
太陽法律事務所
住所 〒530-0047
大阪市北区西天満4-8-2
北ビル本館4階
TEL 06-6361-8888
FAX 06-6361-8889
e-mail
nob@taiyo-law.jp
→友人の辻井一基(つじいかずもと)君のブログで、
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