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2018年5月23日 (水)

悪質反則の真実は?

 平和&スポーツあれこれ

   こんばんわ!

お元気ですか!?     

ぼくは、

スポーツの平和創造機能を語り続ける

スポーツ弁護士のぶさん です。

NO.132

では、

日大アメフトでの悪質な反則行為についてのその後です。

前回の5月18日では、

1.スポーツによる怪我は、原則違法ではない

2.違法行為になる場合

3.違法で犯罪行為になる場合

4.今後の方向 即退陣!

この内容で説明しました。

その後、

5月22日に、日大の加害者宮川泰介選手(20歳)が記者会見をしました。

平和&スポーツあれこれ

それでは、

宮川選手の会見内容の要約をしてみます。

1.宮川泰介選手の会見内容

 宮川泰介選手は、「事実を明らかにすることが、償いの第一歩」でああるとし、彼が体験したとする事実を語りました。

そして、監督やコーチにいろいろと言われたけれども、自分が決断して行ったことなので責任を感じていると、明確に、自分の責任を認めました。

そして、もうアメフトをやりたくないとも。

 彼によると、試合の3日前から「やる気が感じられない」として練習から外され、内田監督から、選抜されていた大学日本代表も辞退するように指示されたとのことです。

その上で、宮川選手は、井上コーチを通じてのようですが、「相手のQBを1プレイ目で潰(つぶ)せば、試合に出してやる」と内田監督の意向を聞きました。

 記者会見の中で彼は、追い詰められた気持ちになっており、「やらないという選択肢はなかった」と発言しました。

そして、「QBを潰しに行くので使って下さい」と内田監督に頼みに行き、

監督は「やらなきゃ意味ないよ」と言い、更に、高校時代の監督でもあった井上コーチからは、試合前の整列時に近づいてきて「できませんでしたではすまされいぞ、分かってるな」と念を押されたというのです。

2.事件の発生

 実際に事件は発生しました。

ぼくも、そして皆さんもビデオで見たとおり、明らかに潰しに行っている行為ですし、そのことは、宮川選手自身認めています。

 そして、さらに2回目、3回目の反則行為があり、退場処分を受けました。

退場になり、宮川選手がテントに戻り、ことの重大さに気づいて泣いていたところを、井上コーチに見られ、試合後、次のような会話があったとのことです。

井上コーチからは、「(泣いている)優しすぎるところがダメなんだ。相手に悪いと思ったんやろ」と責められたと言うのです。

 そして、内田監督は、「宮川の行為は、自分(内田)がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない。」「周りに聞かれたら、俺(内田)がやらせたんだと言え」と語ったとのことです。

3.日大の反論

 宮川選手の発言を受けても、現在のところ、日大は、監督の選手に対する反則の指示を認めていません。

「選手と監督・コーチとのコミュニケーションが不足していたことにつきましては、反省いたしております。」などとする一方で、

「コーチから『1プレイ目で相手のQBをつぶせ』という言葉があったことは事実ですが、これは本学フットボール部において、ゲーム前によく使う言葉で、『最初のプレイから思い切って当たれ』と言う意味です」と、宮川選手の発言を否定しました。

 そして、反則指示はなかったとする従来の説明に終始したとのことです。

確かに、外部のアメフト関係者の中にも、「つぶせ」という意味を、日大当局の言うように思い切って当たれという形で使うことはあると言う人もいます。

仮に、そうだとすれば、宮川選手が勝手に思い込みをして、悪質な反則を行っただけですから、監督やコーチが非難されるのは筋違いだと言えます。

 しかし、宮川選手は、会見の質疑の中で、はっきりと「つぶせというのは、ケガをさせる意味以外考えられなかった」と答えています。

 ぼくは、宮川選手を試合に起用した経緯、試合中、試合直後、その後の監督・コーチの対応などから考えると、日大当局の説明には無理があると思います。

4.宮川選手、

  監督・コーチの責任

 この事件での責任には大きく分けて2つです。

(1)刑事責任

 はっきりしているのは、宮川選手の行為が傷害罪(刑法第204条)に該当する点です。

 事実が宮川選手が話しているとおりだとすれば、内田監督や井上コーチは、同じく傷害罪の共同正犯または教唆犯になるでしょう。

 仮に、内田監督や井上コーチの行為が、ケガをさせることを指示していないなら、宮川選手だけが傷害罪になります。

 仮に傷害罪になると、略式裁判で50万円以下の罰金か、15年以下の懲役です。

(2)民事事件

 宮川選手がケガをさせたことは間違いないので、被害者の関学生に治療費は元より、後遺症が残れば、逸失利益や慰謝料など金銭賠償責任を負います。

 内田監督、井上コーチは、宮川選手が相手方にケガをさせたことについては、(紛らわしい指示を与えている)過失があると思われ、宮川選手と連帯して損害賠償責任を負うことになります。

5.真相の解明を

 宮川選手が、自発的に記者会見をした以上、監督・コーチも速やかに公の場で説明すべきでしょう。

 と書いていたところ、本日夜になって、急遽内田監督と井上上コーチが記者会見をしたとの情報が入ってきました。

直接見ていないので、その内容は、分からないのですが、報道によると、ケガをさせても良いと言うことは、少なくとも内田監督は言っていないという内容でした。

 要するに、宮川選手が勘違いで悪質な反則行為を行ったと言うトーンだったようです。

 既に内田監督は監督を辞しており、井上コーチもコーチを辞するようです。

ただ、日大のNO2の常務理事の立場について内田さんは、しばらく職務を停止し、第三者委員会による調査の結果を待ってそれに従うという趣旨の発言をされているようです。

 

6.スポーツの本質的価値と

  ずる(反則)

 この事件の本質は、スポーツの本質的価値をどこに見つけるかです。

もちろん、スポーツ競技は、勝つためにやるのですから、そのために、毎日練習に精進し鍛えて、相手方と立ち向かうわけです。 

そうです、みんな勝ちたいのです。

 ただ、競技したことのある人は理解できると思いますが、ふと「悪魔がささやくこと」があるのです。

つまり、「ずる(反則)してでも勝ちたい」と。

このような誘惑に、全く無関係な選手や監督・コーチはいないと思います。

でも、そこで踏ん張るのがスポーツマンです。

 誤解を恐れずに言えば、

日大と関学、それぞれがしのぎを削るライバルだけに、その立場において「互換性」の可能性もあったのです。

 でも、ルールを守り、ずる(反則)をせず、できればフェアプレイでベストを尽くし、それで負ければ潔く敗北を認め相手方を讃える、これがスポーツの良さです。

今回、真相がどこまで明らかになるか分かりませんが、

ぼくは、宮川選手をはじめとする日大のアメフト部員だけでなく、日大に学ぶ学生諸君や日大自体へのダメージが心配です。

7.その他

 内田さんと井上さんの会見内容がはっきりしないので、今回のブログ、また書き直すかもしれません。

 

それでは、

今日の一曲  

忘れな草をあなたに

倍賞千恵子

1971年の歌です。

平和学としてのスポーツ法入門

(民事法研究会)より

今日は引用はありません。

 今日も

最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました 

また、覗(のぞ)いてください。

詳しくは、

 2020年までに、

平和を愛する人必読の

平和学としてのスポーツ法入門

2017年 民事法研究会  2800円+税

を読んでください。

筆者としては、

まずコラムを読んでいただきたいです。

また、

スポーツ基本法のコンメンタール部分は飛ばしていただき、

最後に読んでいただくと良いと思います。

2018(平成30)年5月23日  

        (NO.132)

スポーツ弁護士のぶさん こと

弁護士辻口信良

太陽法律事務所

住所 〒530-0047

大阪市北区西天満4-8-2 

北ビル本館4階

TEL 06-6361-8888

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太陽法律事務所ホームページ

おもろいもんみっつけた

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